
千頭和 純一
いきなり恥ずかしいことを言います。
私は偏差値40をとったことがあります。
大学に入る1年ちょっと前の12月の模試でした。実はそのとき23歳で、その年の8月に仕事を辞め(高卒で働いてたんです)、貯めたお金で受験勉強を始めました。その最初の模試の結果が、それです。
でも、やっぱり自分で稼いだお金を有効に使いたかったので、がんばれるだけがんばってみようと思って立ち直りました。で、ある大手予備校の直前講習の宣伝文句に目がとまりました。
『速読』
そのパンフレットにはそんな文字が踊っていました。問題文を最後まで読めないで、惨憺たる成績を取ってしまった私がそんな宣伝文句に飛びつかないわけはありません。当時の私にとっては非常に大きい24,000円 をつぎ込み、私はそのA先生の授業に出ました。結果的に、見事にだまされました。その授業は楽しくて、心地よいものでした。そのA先生の流れるような説明で、その場ではわかったつもりでした。でも、問題をやってみると全然できないんです。 [ どうしてできなかったのでしょうか? ]
でも、やっぱり自分で稼いだお金を有効に使いたかったので、がんばれるだけがんばってみようと思ってまた立ち直りました。その年の4月からある小さな予備校に通い始めました。そこでなぜ自分ができないかがわかりました。英文読解の最初の授業のことでした。その授業担当だったB先生(←当時、東大の大学院生)の最初の一言で、私のその後が大きく変わりました。
「一文一文をしっかり読むことができないうちは、「速読」などできない。一文一文を正確に読めないヤツが『速読やってます』と言っても、それは『誤読を速くやってます』と言っているのに等しい」
このことばは、理論的に考えることが得意な理系の皆さんなら、絶対に納得してくれるはずです。自分に欠けていたものがはっきりわかりました。その先生のおかげで、私は翌年の春、東大に合格しました。予定より1年早く大学生になりました。私は、コツコツコツコツ、一文一文を読解していって成功しました。(ついでに言うと速読もできるようになりました。その辺のコツは授業でお話しします。)
私は、元々英語が得意だったわけじゃないことをわかってほしいんです。(高卒で、働いていたんですよ。しかも、肉体労働でした。)
そのB先生は、「君は今のところこれがわかってない。それがわかるようになるためには、次のことをすればいい。」という感じで、私の「何がわかってないのかポイント」を逐一指摘してくれました。で、私はそれを「何がわかってないのかポイント」ノートを作っていちいちメモしました。それが今も手元にあります。偏差値40の自分がそこにいるようなものです。私はそれを見ながらいつも授業の予習をしたり、プリントを作ったりします。「自分はここがわからなかったから苦労したんだ。だからちょっと難しいかもしれないけど、がんばって理解してほしい。つながってほしい。」と思って授業をします。
それともう一つわかってほしいことがあって、自分の体験を書きました。B先生が教えてくれた英語ができるようになる確実な方法というのをみなさんに教えてあげたいんです。みなさんの中に、 もう大学の入試問題を見たことがある人もいるでしょう。
「えっ、こんな難しいのを、こんなにたくさん解かなきゃいけないの・・・」と、思ったことがあるかもしれません。要するに、あんなに難しいものを、しかもたくさん、短時間で解くようになれるだろうか?という疑問を誰しも感じたことがあると思うんです。英語が苦手で、授業の英語でやっとだという人は授業中に感じるでしょう。英語が得意だという人は、模擬試験を受けたり、入試問題を見たり、難しい問題をやったりしたときにそのことを感じるでしょう。そういう人に、一応の答えを出してあげようと思って、上のような私の恥ずかしい過去を書いたんです。その答えとは、
どんなに難しい問題でも、基礎の集まりでしかない。
英語の得意な人がすごく速くスラスラ英文を読んだり、問題を解いたりするけど、それって、基本事項を素早く使っているのであって決して何か近道をしているわけではないということです。





